5月の半ばにGTAVが無料配布されてからの2ヶ月間のうち、かなりの時間をサンアンドレアスで過ごした。ようやく飽きることが出来て神奈川に戻ってきたのだが、興奮が冷めやらぬうちに思い出とともに記録しておこう。
シューティングゲームには縁がなく、ましてや残酷さが評判のゲームに自分がどっぷりと浸かりこむとは思っていなかったが、その評判から名前だけはよく聞いていたシリーズだった。
たまたまEpicのアカウントを持っていたので、無料だし、試しにダウンロードしてみるかくらいの気持ちで初めた。確かにリアルマネーは失うことはなかったが、Dドライブの90GBと初夏の2ヶ月はGTAに消えていった。
もとからオンラインに手を出す気はなかったのでストーリーモードから初めた。登場人物とストーリーにあっという間に引き込まれ、あまり手を出したことのない分野のゲームの新鮮さに興奮した。そして何より広大なロスサントスの街を自分の頭に叩き込んでいくことが楽しかった。ストーリーは2週間ほどかけてクリアしたが、街を離れるのが惜しくてやるつもりのなかったオンラインでしっかりとランク100になるまでプレイしてしまった。
この話をすると不審がられるが、自分は毎日地図を眺めるような人間だ。どこに何があって、どことどこはどう繋がっていて、どうすると効率よく・あるいは楽しく移動できるのか。現実世界をこのように楽しんでいる人は、オープンワールドゲームとはウマが合うのだろう。何も考えずに街をうろつくことすらゲームがうまくなる一助となるのだから楽しくないわけがない。徒歩で、車で、時にはただぼーっと地下鉄に乗って、それには飽き足らず速い車を手に入れて島を縦横無尽に駆け巡り、必死に(裏の)仕事をして空を飛ぶ手段を買い、夢中になって移動した。
これは懐かしい体験でもあった。数年前、予備校の空き時間に寄ったビックカメラで、ワゴンの中からなんとなく拾い上げたバーンアウトパラダイスというレースゲームの思い出であった。パラダイスシティという街を舞台に車をぶつけ合う、Amazonレビューの言葉を借りればGTAにから人間を排除したゲームだ。今回改めて、街を走り込んでゲームが上手くなってゆくあの体験をもう一度味わえた。そのことに気づいたとき、ちょっと嬉しくなった。
予備校という、独り勉強と向き合う日常。その合間を縫って…合間を縫いすぎて勉強そっちのけでハマったオープンワールドゲーム。
翻って今はどうか。折からのテレワークで、独り仕事をする日常。仕事を終えたあとは、文字通り寝る間を惜しんでプレイしたオープンワールドゲーム。
浪人時代、ちょうどテレビでは半沢直樹が大ブームとなっていた。あれから7年、変化する社会の中であの頃を想う。